「旭川市・旭豆(あさひまめ)」~ほっかいどうお菓子グラフィティー(2)

煎った大豆に砂糖を衣掛けした豆菓子。
全国各地で見かけるお菓子ですが、その北海道代表ともいえるのが旭豆です。
旭川で生まれた「旭」豆というネーミングのわかりやすさも、北海道的といえるかもしれません。

 


明治35(1902)年に誕生した旭豆は、ほどよい甘さの衣と大豆の香ばしさがマッチしたシンプルな豆菓子です。上川地方ではよく知られる地域限定商品でしたが、あることをきっかけに一躍メジャーな存在となりました。
 
それは、かつて北海道観光の玄関口だった、青函連絡船の函館桟橋にある売店や連絡船内で扱われるようになったからです。函館桟橋は、今でいう新千歳空港のようなもの。多くの人々が行きかうこの場所で、旭豆はたちまち人気を呼び、一気に知名度が上がりました。




 
また、今と違って当時の北海道土産物には、日持ちのする食品が少なく、それも人気を後押ししました。あまりの売れ行きに類似品も出回ったほどで、昭和50年代までは夏場の観光シーズンになると製造が追いつかないほどでした。
 
お菓子が多様化し、日持ちのする土産品も増えた現在は、節分の時期が一番忙しいそうです。というのも、北海道では節分に、大豆ではなくピーナッツや豆菓子をまく習慣があるからです。




 
今もレンガ造りのクラシックな工場で製造される旭豆。原材料には、糖度の高い十勝産の大袖振(おおそでふり)大豆や、道内産のビートから作られた甜菜(てんさい)糖などを使用。添加物も一切使わないため、道産素材のうま味が引き立ちます。




 
最近では、地元・旭川の学校給食用にミニ袋も製造しているそうで、明治に生まれた「百年菓子」の遺伝子は、誕生の地でしっかり受け継がれています。


*詳しくは『ほっかいどうお菓子グラフィティー』(塚田敏信・著)をご覧ください。