
誕生は明治38(1905)年、今年(2019年)で114年目を迎える北海道を代表するロングセラー土産菓子、それが「バナナ饅頭」。
東京土産にもバナナと名がつくものがありますが、池田町の「バナナ饅頭」は、バナナを使用していません!……え?
目次
・北海道十勝池田町の「バナナ饅頭」とは
・「バナナ饅頭」は、バナナを使用していない!?・
・「バナナ饅頭」製造現場潜入
・「バナナ饅頭」を食べてみた
・「バナナ饅頭」は、バナナを使用していない!?・
・「バナナ饅頭」製造現場潜入
・「バナナ饅頭」を食べてみた
北海道十勝池田町の「バナナ饅頭」とは
池田町は、北海道の十勝平野の真ん中から、やや東寄りにある町。
札幌駅~池田駅は、JR特急で約2時間40分、帯広駅~池田駅はJR特急で約16分、車なら道東自動車道利用で札幌IC~池田町が約2時間50分という位置にあります。
平成20(2008)年に開町110年を迎えた池田町に、明治38(1905)年から続くロングセラー土産菓子があります。
それが「バナナ饅頭」です。
▲バナナ饅頭
道外の人やヤング道産子は今頃、
北海道でバナナ?
十勝でバナナ?
バナナで饅頭?と、
「?」マークが飛び交っていることでしょう。
しかし、ベテラン道産子や十勝エリアの人たちにとっては、
「いやいやいや、懐かしいっしょや!」
「これ、これ、これ!」
「十勝池田といえばバナナ饅頭、バナナ饅頭といえば池田だべさ!」と
握りこぶしでガッツポーズをとっていることでしょう。
北海道十勝を代表する土産菓子「バナナ饅頭」を求めて、池田町へ行ってきました。
札幌駅~池田駅は、JR特急で約2時間40分、帯広駅~池田駅はJR特急で約16分、車なら道東自動車道利用で札幌IC~池田町が約2時間50分という位置にあります。
平成20(2008)年に開町110年を迎えた池田町に、明治38(1905)年から続くロングセラー土産菓子があります。
それが「バナナ饅頭」です。

道外の人やヤング道産子は今頃、
北海道でバナナ?
十勝でバナナ?
バナナで饅頭?と、
「?」マークが飛び交っていることでしょう。
しかし、ベテラン道産子や十勝エリアの人たちにとっては、
「いやいやいや、懐かしいっしょや!」
「これ、これ、これ!」
「十勝池田といえばバナナ饅頭、バナナ饅頭といえば池田だべさ!」と
握りこぶしでガッツポーズをとっていることでしょう。
北海道十勝を代表する土産菓子「バナナ饅頭」を求めて、池田町へ行ってきました。
「バナナ饅頭」は、
バナナを使用していない!?
「バナナ饅頭」は、JR「池田」駅の目の前にある洋食レストラン「よねくら」で製造販売しています。
▲JR「池田」駅の目の前にある洋食レストラン「よねくら」
「バナナ饅頭」誕生のきっかけは駅弁でした。
「よねくら」は、明治37(1904)年に池田駅が開業した際に、駅弁の立売りを始めました。その時「よねくら」創業者の米倉三郎さんが、
「駅弁は売れている。したっけ、お土産もあれば、もっと喜んでもらえるんでないかい(※北海道弁は、北海道Likersの想像)」と思い立ちました。
その当時、バナナは相当珍しいもので価格も高価、日本に輸入されて未だ数年も経っていなかったとか。
ほとんどの人が、バナナを見たこともなければ食べこともない中で、「なかなか口にできないバナナをなんとか、安くおいしく食べることはできないか」と試行錯誤した結果たどり着いたのが「バナナ風味」でした。
実は「バナナ饅頭」は、原材料に果物のバナナは一切使用していません。
使っているのはバナナエッセンス、つまり「香り」。
こうして明治38(1905)年に、タイ焼きの要領で形をバナナに似せて、白あんをカステラ風生地で包んで焼いいた「バナナ饅頭」が誕生しました。
▲昔の「バナナ饅頭」の包装紙
駅弁と一緒に売り歩くと、たちまち大人気になり、池田駅の土産品として大ブレイク。
以来、114年間、池田町の土産菓子として愛されて続けています。

「バナナ饅頭」誕生のきっかけは駅弁でした。
「よねくら」は、明治37(1904)年に池田駅が開業した際に、駅弁の立売りを始めました。その時「よねくら」創業者の米倉三郎さんが、
「駅弁は売れている。したっけ、お土産もあれば、もっと喜んでもらえるんでないかい(※北海道弁は、北海道Likersの想像)」と思い立ちました。
その当時、バナナは相当珍しいもので価格も高価、日本に輸入されて未だ数年も経っていなかったとか。
ほとんどの人が、バナナを見たこともなければ食べこともない中で、「なかなか口にできないバナナをなんとか、安くおいしく食べることはできないか」と試行錯誤した結果たどり着いたのが「バナナ風味」でした。
実は「バナナ饅頭」は、原材料に果物のバナナは一切使用していません。
使っているのはバナナエッセンス、つまり「香り」。
こうして明治38(1905)年に、タイ焼きの要領で形をバナナに似せて、白あんをカステラ風生地で包んで焼いいた「バナナ饅頭」が誕生しました。

駅弁と一緒に売り歩くと、たちまち大人気になり、池田駅の土産品として大ブレイク。
以来、114年間、池田町の土産菓子として愛されて続けています。
「バナナ饅頭」製造現場潜入
「バナナ饅頭」は、JR「池田」駅前にあるレストランよねくらの工場でつくられています。
工場と言っても大掛かりなものではなく、「バナナ饅頭」製造機1台が稼働する小規模なもの。

工場に入ると、ぷ~んとバナナのいい香りが充満しています。
だいたい1日1~2回転で、その日の出荷分200箱(8個入り)程をつくりますが、繁忙期は3~4回転することもあるそうです。
昔は、真鍮製の焼き型で手焼きをしていましたが、昭和40年代に機械化されました。
その機械も、今風のデジタル仕様ではなく、モーターで動くアナログ式。しかし、シンプルなつくりのおかげで、手入れもしやすく、よほどのことがない限り自力でメンテナンスができるそうです。
▲型に生地を流し込み…
▲あんを入れます
型に生地を流し込み、あんを入れて片面を焼き、途中自動でひっくり返り、もう片面を焼いて仕上がるまで約7分。

型からはみ出た「ふち」の部分を丁寧に取り除いて、箱詰めをします。

細かく出た「ふち」は、廃棄処分だとか。
「もったいないから、家畜の肥料にすればいいのに…」と言ったら、実は一度そうしようと声をかけたことがあるそうです。しかし、生地に砂糖が入っていることから、家畜やペットにはよろしくないということで、止む無く断念したそうです。
工場と言っても大掛かりなものではなく、「バナナ饅頭」製造機1台が稼働する小規模なもの。

工場に入ると、ぷ~んとバナナのいい香りが充満しています。
だいたい1日1~2回転で、その日の出荷分200箱(8個入り)程をつくりますが、繁忙期は3~4回転することもあるそうです。
昔は、真鍮製の焼き型で手焼きをしていましたが、昭和40年代に機械化されました。
その機械も、今風のデジタル仕様ではなく、モーターで動くアナログ式。しかし、シンプルなつくりのおかげで、手入れもしやすく、よほどのことがない限り自力でメンテナンスができるそうです。


型に生地を流し込み、あんを入れて片面を焼き、途中自動でひっくり返り、もう片面を焼いて仕上がるまで約7分。

型からはみ出た「ふち」の部分を丁寧に取り除いて、箱詰めをします。


細かく出た「ふち」は、廃棄処分だとか。
「もったいないから、家畜の肥料にすればいいのに…」と言ったら、実は一度そうしようと声をかけたことがあるそうです。しかし、生地に砂糖が入っていることから、家畜やペットにはよろしくないということで、止む無く断念したそうです。
「バナナ饅頭」を食べてみた
バナナを使っていないのに、食べたら果たして本当にバナナを感じるのか?
香りだけでバナナっぽさがわかるのか?
味が気になるところですよね?
では、さっそく。
まず驚くのが、箱を開けるとふんわり漂うバナナの香り。
▲きれいに並べず、一見バラバラに見えますが、これはバナナの房をイメージしたレイアウトだそうです
これは、誰が感じても、間違いなく「あ、バナナだ」とわかるはずです。
パクリと食いつくと、カステラ生地とあんの優しい甘さが口に広がり、そこにバナナの香りがからんでくるので、まるで果物のバナナが練りこまれているような感じがします。

しかし、何度も言いますが、果物のバナナは使っていません。
「よねくら」4代目の米倉寛之さんによると、
「鼻をつまんで食べたら、普通の甘い焼き菓子ですよ(笑)。きっとバナナの形と香り、そして『バナナ饅頭』というネーミングから、『バナナの味がする』と誰もがなんとなく思ってしまって、その気になるのかもしれません」とのこと。
白あんを包んだカステラ風生地の焼き菓子、けれども香りはふんわりバナナ。

レシピも形も、明治38年から、ずーーーーーーーっと同じ。
明治、大正、昭和、平成、そして今年2019年、新しい年号になると、5つの年号と一緒に歩むことになる「バナナ饅頭」。
「今まで何も変えずにつくってきたので、これからもこのままつくり続けます」と、4代目は語ってくれました。
「バナナ饅頭」は、基本的に道内外の物産展などには出展しません。
JR「池田」駅前のレストランよねくらや池田町のワイン城で購入可能。札幌なら、札幌駅構内のどさんこプラザ、帯広駅中のお土産店でも扱っているそうです。
▲8個入り620円、16個入り1,240円(いずれも税込み)。予め予約をすれば大量購入も可能
土産品ではありますが、レストランよねくら店内でも「バナナ饅頭8本、ミルク付き」(620円)があるので、メニューとして食べることもできます。
100年以上続く、道内屈指のロングセラー土産。
ぜひ一度、ご賞味あれ!
香りだけでバナナっぽさがわかるのか?
味が気になるところですよね?
では、さっそく。
まず驚くのが、箱を開けるとふんわり漂うバナナの香り。

これは、誰が感じても、間違いなく「あ、バナナだ」とわかるはずです。
パクリと食いつくと、カステラ生地とあんの優しい甘さが口に広がり、そこにバナナの香りがからんでくるので、まるで果物のバナナが練りこまれているような感じがします。

しかし、何度も言いますが、果物のバナナは使っていません。
「よねくら」4代目の米倉寛之さんによると、
「鼻をつまんで食べたら、普通の甘い焼き菓子ですよ(笑)。きっとバナナの形と香り、そして『バナナ饅頭』というネーミングから、『バナナの味がする』と誰もがなんとなく思ってしまって、その気になるのかもしれません」とのこと。
白あんを包んだカステラ風生地の焼き菓子、けれども香りはふんわりバナナ。

レシピも形も、明治38年から、ずーーーーーーーっと同じ。
明治、大正、昭和、平成、そして今年2019年、新しい年号になると、5つの年号と一緒に歩むことになる「バナナ饅頭」。
「今まで何も変えずにつくってきたので、これからもこのままつくり続けます」と、4代目は語ってくれました。
「バナナ饅頭」は、基本的に道内外の物産展などには出展しません。
JR「池田」駅前のレストランよねくらや池田町のワイン城で購入可能。札幌なら、札幌駅構内のどさんこプラザ、帯広駅中のお土産店でも扱っているそうです。

土産品ではありますが、レストランよねくら店内でも「バナナ饅頭8本、ミルク付き」(620円)があるので、メニューとして食べることもできます。
100年以上続く、道内屈指のロングセラー土産。
ぜひ一度、ご賞味あれ!
関連リンク
北海道Likersライター チバタカコ
写真撮影:諏訪智也
http://www.swatt.jp
こちらも合わせてチェック!
記事で紹介したスポット
Writer