情熱の仕事人。定山渓温泉を盛り上げたい!老舗旅館の若き後継者たちの挑戦

北海道屈指の人気の温泉地、札幌・定山渓温泉。それぞれに魅力ある宿づくりに取り組み、そして想いをひとつに地域の魅力アップ&発信を目指す、定山渓の次代を担う4人のキーパーソンに迫ります。
 
札幌都心から車で1時間弱。豊平川上流の深い渓谷に包まれた定山渓は、季節ごとに美しい姿を見せる豊かな自然と一体となった温泉地。2016年に開湯150周年を迎えます。
定山渓温泉を訪れる人は年間約200万人。「もっと楽しんでもらえる地域に」と、若い力が動き出しています。
 
 
■旅館の後継者としての想い
古川さん、布村さん、浜野さん、金川さんは、共に定山渓で代々続く旅館の後継者。
はじめに、家業に入って先代が培ってきたものをどう感じているか、また、今後取り組んでいきたいことをお聞きしました。
 
 
〈写真左〉創業56年[第一寶亭留]3代目 布村英俊さん。1982年生まれ、札幌市出身。「定山渓第一寶亭留 翠山亭」などを展開する、株式会社第一寶亭留常務取締役
 
 
古川: 当宿は15年ほど前、父が「日本一温かい宿をつくろう」という、現在も大切にしている企業理念を掲げました。お客様との関係が他よりも近く、笑顔でお迎えし喜んでお帰りになっていただけるようなサービスに徹してきたことで今があり、そこが「ふる川」の一番の強みだと思っています。
旅館業では「人」そのものが接客サービスに直結します。ですので、従業員が様々なことを学べる機会をたくさんつくっていきたいと考えています。
 
布村:当社は父が、ここ10年の間で定山渓以外のホテルを道内6カ所にオープンさせています。時代の潮流を読んで戦略を立てる能力はすごいなと思いますね。それと専務である母が率先して行動し、「真心を込めたおもてなしを」という理念を従業員みんなで実践しています。
私共もやはり、働く人たちにもっと仕事に満足感を感じてもらいたいと思っています。各ホテルの現場スタッフの意見やアイデアをどんどん取り入れて、常にお客様に新しい価値を提案できるホテルを目指しています。
 
 
〈写真左〉創業87年[ホテル鹿の湯]4代目 金川浩幸さん。1983年生まれ、札幌市出身。定山渓温泉「ホテル鹿の湯」などを展開する、鹿の湯グループ常務取締役
 
 
浜野:4代前が洞爺湖で創業して以来、当社では定山渓や旭岳温泉など、先代たちが常に新しい地域へ事業を拡大してきました。地域の人々との人脈を築いて道を切り開いていくバイタリティーには、非常に学ばされるものがあります。
私は人づくりもそうですし、それぞれ求めるものが異なるお客様に対応していけるような、商品・サービスづくりにもチャレンジしていきたいと思っています。
 
金川:当社には30年以上勤めている従業員が数多くいます。働いている人を大切にして、「一緒にやっていくんだ」という先代からの想いを私も大事にしています。
今はしっかりとしたコンセプトのもとに、お客様を絞り込んでいる小規模旅館にスポットが当たる時代。大規模旅館では様々な嗜好のあるお客様に向けて、「多角的」に旅館のコンセプトを設定する必要性を感じていて、それをかたちにしていくことが私の大きな仕事です。
 
 
写真提供/定山渓観光協会
 
 
■定山渓という地域への想い
みなさんは地域の様々な業種の若手メンバーと共に、「定山渓をもっと元気に」という意欲のもと、地域の美化にはじまり、新しいイベントの企画運営など、地域活性化に努めています。
 
古川:定山渓の自然という財産と、温泉そのものを大切に、定山渓を温泉地から温泉観光地にしていきたいですね。外国では一つの広場を拠点として、エリアを広く遊ぶ旅の楽しみ方があります。定山渓はその拠点となるにはいい場所です。
 
浜野:たくさんの人に宿から外へ出てもらい、温泉街を歩いたり、エリアを楽しんでもらったりするには、施設単体ではなく、豊平峡や八剣山といった近隣も含めた地域の中での連携が必要です。魅力ある観光資源を掘り起こし、それらをどう活用し、お客様にどうお伝えしていくかということに今は一所懸命に取り組んでいます。
 
「お客様が集まる動線づくりを」と金川さんが中心となり、2012年から夏に「Jozankei JAZZ TOWN」を開催。こちらは入場無料で楽しめる野外ジャズイベントで、2013年はオール北海道のミュージシャンによるライブで盛り上がりを見せました。
 
北海道Likersで「Jozankei JAZZ TOWN」を紹介しています↓
http://www.hokkaidolikers.com/articles/1543
 
冬は、定山渓神社の境内にキャンドルの火が灯るイベント「雪灯路」を開催。第4回目となる2014年は、2月5日(水)から11日(祝)の日程で行われます。
雪の道を照らすのは、定山渓の地域の方々が手づくりするという約2,000個のスノーキャンドル。また、地元の小・中学生によるキャンドル作品も展示されるそうです。
 
 

写真提供/定山渓観光協会
 
 
写真提供/定山渓観光協会
 
 
雪灯路は毎年来場者数が伸び、海外からのお客様も増えているのだとか。
「日本全国、海外にも発信できるものをしっかりと整え、シーズンごとの定山渓の魅力を楽しんでもらいたい」と、みなさん力を込めて話してくれました。
 
温泉に浸りイベントを楽しむほかにも、スキーや雪上乗馬、スノーシューでの散策など冬もアクティビティはいろいろです。ぜひ「定山渓」を体験しにお出かけください。
 
 
 
 
☆あるた出版 札幌を楽しむための情報誌「O.tone(オトン)」vol.63に、古川さん、布村さん、浜野さん、金川さんによる座談会記事が掲載されています。2月14日まで書店にて発売中!
http://www.alter.co.jp/