情熱の仕事人。札幌発スープカレーの伝道師。らっきょ軍団団長「イデゴウ」

厨房に留まらず、スープカレーをさらに広め発展させるべく北海道・日本各地、時には海外へ。北海道のスープカレー界を牽引する一人、心熱き仕事人にインタビュー!
 
1970年代、札幌に登場したスープカレー。時を経て90年代中頃から専門店の数が増え、2000年代に入って大ブームに。今ではブームを超え、札幌のソウルフードともいえる存在です。
一口にスープカレーといっても、スープのタイプ、スパイスの配合、具材の組み合わせは各店で様々。現在市内には約160の専門店があり、個性それぞれのスープカレーが提供されています。
 
スープカレーといえば名前があがる、札幌屈指の名店に「らっきょ」があります。市内に2店、東京、横浜にも店舗を展開、そのらっきょ軍団団長がイデ ゴウさん(45)です。
 
 
 
 
イデさんが現在のらっきょ本店である「札幌らっきょ」をオープンしたのは1999年。以前は、ホテルと洋食店でサービス業務に就いていました。スープカレーは当時、熱狂的なファンの間で支持されていたややマニアックな存在。開店を前に勉強のために食べ歩きを重ねていく中で、イデさんは一つの方向性を見いだします。
 
「実は私自身、スープカレーに対して苦手意識があったんです。でも食べていくうちに、おいしいスープとは?おいしく食べられる辛さとは?といったことが分かってきてハマリました。それで、自分のような人、幅広い年代に受け入れてもらえるスープカレーを目指そうと」。
接客と味、共に自身の経験から考えられたことが、これまでの店づくりにおいて大きなプラスに。らっきょは「札幌のスープカレーのスタンダード」といわれ、ファンを増やしてきました。 
 
 
 
 
おいしいスープカレーは、「素材の旨みが加わったスープとスパイスのマリアージュから生まれる」とイデさん。らっきょのスープカレーは、鶏ガラ、豚骨、牛骨、各種野菜から時間をかけて取ったスープに25種類のスパイスをブレンド。そのスープを一晩寝かせるのがポイントだとか。
野菜、肉、魚介類、そしてお米と、スパイス以外の食材は道産でまかなえるものばかり。「バックグラウンドとして、北海道の食材があるのはとてもラッキーなことです」。
 
 
 
 
イデさんはスープカレーを北海道の食文化にしよう、未来へつなげようと、多方面で精力的に活動。その一つとして、10年前から市内をはじめ道内各地でスープカレー教室、スパイスや道産食材を使った料理教室を開いています。飲食店だけでスープカレーを提供するのではなく、各地にファンが生まれ、家庭の食卓に根づいてこそ、食文化といえるものになるのではないか。北海道のおいしい食材を食べないのはもったいない、使って作らないのはさらにもったいないというのがイデさんの思いなのです。
 
また、イタリアンやフレンチと同じように、スープカレーを一つの料理として確立したいとも考えています。「スープカレーにはこれといった定義がありません。スープカレーとは何か?をしっかりと語れるように、今こそ業界全体でアクションが必要。そうなることで、さらに上を目指していける」と力を込めます。
 
 
 
 
2013年は台湾とアメリカ・カリフォルニア州北部の都市、サンノゼで開催された北海道・日本物産展にらっきょが出店。10月にスタートした台湾での物産展は、台中を皮切りに台北・台南・高雄と12月中旬まで続きます。
「台湾の方は日本の文化に慣れている印象を受けました。カリフォルニアは若い人の来店が多く、スープカレーに興味津々で評価もダイレクト。たくさんの方に食べてもらい、知ってもらうことができました。スープカレーを言葉ではなく気持ちからどれだけ伝えられるか、スタッフにとっても貴重な経験になっています」。
 
 
 
 
「各地で料理教室をやっていますが、『おふくろの味はスープカレー』といわれるようになってはじめて、自分の仕事は成功だったといえると思っています。そして北海道だけではなく、全国各地のご当地食材で作られるようになり、スープカレーが日本のカレーのスタンダードになれたら最高。そこに挑戦していくのはおもしろいことです」。
 
札幌らっきょの開店から14年。イデさんの思いは益々熱を増し、ビジョンの実現に向けてスープカレーの魅力を伝え続けています。


 
■SPICE GO GO
http://www.spicegogo.com