2013年11月14日 | 孫田 二規子

個性派揃いの北海道のデザイナー。札幌ADCコンペ受賞者をたずねて

札幌アートディレクターズクラブが主催する「第13回 札幌ADCコンペティション&アワード」のグランプリ受賞者、鎌田順也さん、そして昨年のグランプリで今年は審査員を務めた岡田善敬さんにインタビューをしてきました。
 
 
▲左が鎌田さん、右が岡田さんです
 
 
北海道のクリエーターシーンをクリエーターたちで熱く盛り上げ、新たな可能性を広げようー。そんな思いのもと、〝クリエーターの課外活動〟として、2001年に誕生した札幌アートディレクターズクラブ(以下、札幌ADC)。
制作活動のさらなるレベルアップを目指し毎年開催される「札幌ADCコンペティション&アワード」では、北海道のクリエーターたちの作品が集結。今年は9月に札幌市生涯学習総合センター「ちえりあ」で開催され、映像、ブック・エディトリアル、ジェネラルグラフィック、パッケージなど全10部門に集まった総数2,990点の作品の公開審査が行われました。
 
 
▲審査会の様子です
 
 
▲出品された作品の極々一部。CM作品から自主制作作品まで、それはさまざまで見応えありますよ!まさにアート展。うれしい入場料無料です
 
 
サッポロビールとリボンちゃんキャラメルのパッケージも出展されていました。
 
 
▲手前のシールは審査員からの票です
 
 
 
 
審査員は、昨年のグランプリに加え、東京など道外の第一線で活躍している著名クリエーターたち。
 
 
▲審査員のみなさん
 
 
▲審査員の票を集計中です
 
 
審査の結果、各部門賞の中から最優秀グランプリが選ばれるわけですが、今年の覇者は、「KD」主宰の アートディレクター兼グラフィックデザイナーの鎌田順也さん。ロゴ、パッケージ、ステーショナリーなど、札幌市近郊の町の豆腐店のブランディングをした作品でした。
 
 
▲「店がもっと愛されるようにと作りました」と鎌田さん。一つひとつ手作りされる豆腐の味や食感、店主の人柄までもが伝わってきそうなデザインです
 
 
デザインをしないデザインと称されることもあるほど、シンプルなデザインを得意とする鎌田さん。グランプリを獲っての感想を聞かせてもらえますか?
 
「うれしいですけどプレッシャーもあります。来年のコンペまでに、1年でいちばんがんばったと言える人間になろうと思います」。
 
シンプルなデザインは、いわゆる〝引き算〟 の技法でつくっているのでしょうか?
 
「引き算や間引きはよくしているのかと聞かれますが、実は全くそうしているつもりはないんですよ。むしろ僕の中では、いっぱい入っています(笑)」
 
 
▲鎌田さん
 
 
鎌田さんにとって「札幌ADCコンペティション&アワード」とは?
 
「発見してもらう場所、見つけてもらう場所でしょうか。僕も見つけてもらったのでね。北海道のデザイン業界の人間にとっては、とても影響力の強いものでしょう」。
 
クライアントは大企業から個人店までと幅広く仕事をしています。
 
「どれもおもしろいです。農家の野菜パッケージなどの仕事もしていますが、始めたのは2005年頃。農業にデザイナーが関連するなんて考えられなかった頃ですよね。そこに真正面からグラフィックデザインを取り入れていくのは楽しかったですよ」。
 
これからはどんな仕事をしたいですか。
 
「和の表現が好きなので、和菓子や醤油、味噌、寿司屋など、日本の文化になっているものを手がけてみたいです」。
 
北海道のデザインにはなにか特徴はありますか。
 
「いい意味で、決まったトーンがないところでしょうか。トーンがないところでしょうか。地方のADCには大抵、その土地のカラーがあるんですけど、札幌には、僕みたいなシンプルなデザインをするデザイナーもいれば、つくりこむタイプもいる。こういうところが北海道の個性だと思います」。
 
 
▲鎌田さんの作品は、前述の受賞作のほかにも数点、各部門で金賞や会員審査賞を受賞。こちらはブック・エディトリアル部門の銀賞受賞作。ジンギスカンブランドのコンセプトブックです
 
 
岡田さんにもうかがいましょう。昨年の同コンペのグランプリ覇者で、今年は審査員を務めた、札幌大同印刷株式会社 企画室dio アートディレクターです。今年は2部門で金賞、銀賞を受賞しています。
 
 
▲ジェネラルグラフィック(平面)部門の金賞作品。北海道爬虫両棲類研究会の会員証です
 
 
岡田さんが初めて同コンペに参加したのは、9年前です。
 
「会社の50周年のロゴを出品し、銀賞を獲りました。まだ印刷会社のデザイナーが認知されていなかった時代ですので、場違いかなと思いつつ出してみたのですが、評価してもらえてうれしかったですね。がんばっていれば見てくれる人がいるんだということがわかって、次も頑張ろうと思いました」。
 
岡田さんにとって、同コンペとは?
 
「同世代の人間の作品が見られて、とても刺激になります。僕も毎年、真剣勝負で挑んでいます」。
 
 
▲岡田さん。後ろのポスターは岡田さん×イラストレーター倉橋寛之さんとのグラフィックアート「オバケ!ホント?」。2008年に同コンペでグランプリを受賞したのち、日本グラフィックデザイナー協会(JAGDA)新人賞、東京ADC賞を受賞しています。今年10月には、札幌の大通ビッセ1階でスイーツ店とのコラボイベントを行いました
 
 
首都圏と違い、仕事が細分化されていない北海道のデザイナーには名刺、ポスターからWebまで、さまざまな仕事のオーダーが入ります。そのなかで、岡田さんの得意な仕事は?
 
「そうですね…全部、苦手です(笑)。でも好きなのは、パッケージやロゴなど長く使ってもらえるものかな」。
 
デザインをする時に、なにか心がけていることはありますか。
 
「身近な人の顔を思い浮かべます。最近は特に自分の子どもの顔。これ、あいつに見せてわかるかな、とか考えて、難しいようなら少しやさしくしたり」。
 
審査員は今年で3回目です。率直な感想、そして岡田さんが思う北海道のデザインの特徴を聞かせてください。
 
「審査をしていて感じたのは、若者の勢い。去年に比べ、初めて出品する人が        
 
多く、しかもすごくレベルがあがってきていて、内心、焦りました(笑)。北海道のデザインは、道外のデザイナーたちからシンプル、誠実、潔いなどと表現されることがよくあるのですが、僕としては、個性の幅が広い気がしますね。アーティスティックな人がいたり、ストレートに世界観を表現する人がいたり。タレントが揃っている感じです」。
 
 
▲猫好きのFUKKO、心奪われました。ジェネラルグラフィック(立体)銀賞作品。箱の展覧会 ハコマートの今年のテーマ、スイーツの箱として出品した作品、 キャットコレイト。~12月23日まで札幌宮の森美術館ミュージアムショップで販売しています!
 
 
▲横にも猫が!
 
 
鎌田さん、岡田さん、ありがとうございました。これからも北海道のデザイナー業界を盛り上げていってください!
 
 
 
■問い合わせ先
●札幌ADC
 
鎌田 順也/Kamada Junya
アートディレクター/グラフィックデザイナー。
1976年生まれ。北海道東海大学芸術工学部デザイン学科卒業。有限会社レバンを経てフリーランス。K D主宰。JAGDA賞2011、日本パッケージデザイン大賞 金賞・銀賞・銅賞、日本タイポグラフィ年鑑 ベストワーク賞、中国国際ポスタービエンナーレ 銅賞、ニューヨークADC Merit賞、札幌ADCでは5度のグランプリ受賞2005年、2006年、2009年、2010年、2013年。北海道東海大学非常勤講師。JAGDA会員。 
 
岡田善敬/Okada Yoshinori
札幌大同印刷株式会社。
1974年、北海道帯広生まれ。1995年、専門学校 札幌デザイナー学院卒業。同年、札幌大同印刷株式会社 入社。現在に至る。アイデアとユーモアを忘れず、人の心を動かすデザインを目指す。札幌ADCグランプリ2008年、2012年、札幌ADC2009準グランプリ、JAGDA新人賞2009、東京ADC賞2008年、2013年。

\応援したい!と思ったら「なまらいいね!」/

この記事をSNSでシェアしよう!
  • 個性派揃いの北海道のデザイナー。札幌ADCコンペ受賞者をたずねて
  • Google+

FacebookのIDを利用して、北海道Likersへ登録します。

北海道Likersは、北海道を愛する皆さんと北海道を盛り上げるコミュニティです。

  • 利用規約に同意の上ご登録ください。
  • FacebookのIDで簡単に登録できます。登録は無料です。
  • Facebookに設定しているメールアドレスを登録します。お客様のメールアドレスは、北海道Likers運営からの連絡に利用いたします。
Title
Close
北海道Likersアプリ(iOS) 北海道Likersアプリ(Android)