シリーズ:サケ(2)遡上と産卵

 
 
ただ今サケの遡上シーズン真っ最中!北海道の川から旅立っていったサケは、3~4年北太平洋を回遊し、産卵のために生まれた川へ帰って来ます。
川の流れに逆らい、えん堤などを乗り越え産卵場所を目指すサケたち。
なぜ、川を間違えることなくたどることができるのか、不思議ですよね。
「母川回帰(ぼせんかいき)」と呼ばれるこの性質は、体内の方位磁石と川の匂いの記憶によって、生まれた川に戻ってくると考えられています。
 
 
 
 
産卵シーズンは9月から1月。産卵期になると、銀白色のウロコにおおわれていたサケの体には、赤や黒のまだら模様ができます。これは「婚姻色」と呼ばれ、オスの方がより鮮やかにまだら模様が出るそうです。
さらに、産卵期のオスは鼻先が伸びて「かぎ状の鼻」になります。
 
 
 
 
無事遡上を終え、産卵場所についたサケたち。
そこでは、壮絶なバトルが繰り広げられていました。
オス同士が、メスをめぐってかなり激しく争っているようです。
 
 
 
 
 
 
バトルに勝ったものが「卵に放精する」という重要な役割を担うことができます。
ペアとなったオスとメスは、水深30㎝ほどの浅瀬で産卵の準備に。
メスが尾びれを使って砂利を掘り、直径1メートルほどの産卵床をつくります。
 
オスは手伝うことなく、もっぱら見張り役です。
他のオスが近づいて来れば「ケンカ上等」とばかりにバトルを再開。常に臨戦態勢を整えているようです。
 
 
 
 
産卵場所に選ぶのは、地下水の湧き出る場所。
冬に産まれる稚魚にとっては、水温が変わらず水の循環もある湧水地は、越冬するには最適な場所なのです。
 
 
 
 
産卵床ができると、オスとメスが並んで産卵・放精を行います。一匹のメスが産む卵の数は約1,000~6,000個。
産卵の最中には、戦いに敗れたオスが割り込んで放精をすることもあるようです。
 
実は、ケンカで負けたオスの中には、体の色がメスのように変化するものがいるそうです。
メスのふりをして相手のオスを油断させておきながら、隙を見て放精。
姑息な手を使っているようですが、サケにとって産卵は一生に一度。
自分の遺伝子を引き継いでいくために必死です。子孫を残すには強さと賢さが必要なんですね。
 
産卵を終えると、メスは再び尾びれを使って砂利を卵の上にかぶせ、他のメスに掘りこされないよう産卵床にとどまります。
産卵で力を使い切った体はすでにボロボロ。
卵を守りながらメスは息絶え、オスもやがて力尽きていきます。
 
 
 
 
亡骸はキタキツネやオジロワシ、他の魚や水生昆虫に食べられたり、微生物に分解されるなどして、川や森に棲む生き物たちの糧となります。
 
 
 
 
秋に産んだ卵は冬に孵化してゆっくりと成長。
 
 
 
 
そして、春から初夏にかけて稚魚たちは大海原へと旅立っていきます。
 
 
 
 
サケの誕生から旅立ちについては、過去の記事に掲載しております。
こちらもあわせてご覧ください。
 シリーズ:サケ① 誕生から旅立ち



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