清水町をまるごと味わう。「十勝清水牛玉ステーキ丼」

十勝の清水町に、北海道No.1の新・ご当地グルメあり!!食を超えて周囲にファンが増殖するこの丼。その開発の裏には町への熱い想いがありました。
 
 
 
 
「新・ご当地グルメグランプリ北海道」2013年で№1の支持を得た「十勝清水牛玉ステーキ丼」。町の特産品の卵と牛肉を活かし、清水町に食べに行く価値ある逸品に育てることを目的に、地域の有志が考案した清水町のご当地グルメです。
 
特製味噌でスクランブルした卵のベースに、子どもやお年寄りが食べやすいよう一口大にカットされた十勝若牛のステーキ肉がてっぺんにどっさり。地物の野菜も添えられて卵形の丼に盛りつけたら、はい、完成!
 
玉子のまろやかなコクと特製味噌の風味に、やわらかく、しっかりした赤身が特徴の十勝若牛の肉の旨味がベストマッチ。見た目も黄色の鮮やかさにお肉が映えて食欲をそそります。ごはんが進むこと間違いありません!
 
 
 
 
この新たな北のご当地グルメは、町を何とかしたいという有志の熱い想いから生まれました。高速道路の全通により清水町の立ち寄りが激減するのでは、との危惧から、「牛肉や鶏卵の一大産地という強みを生かし新しいご当地グルメをつくろう!」とするプロジェクトが2009(平成21)年、一人の仕掛け人のもと動き出したのです。
 
その人は清水町の役場職員、吉田寛臣さん。4年前のスタート時は国民健康保険を担当し、観光やまちづくりにはまったく縁のない部署でした。それでも「清水町を通過させるのでない、『目的地』にしたい」気持ちが吉田さんを駆り立て、仕事外の時間を活動にあてました。
 
 
 
 
ご当地グルメを開発するための地域活性化協議会を立ち上げ、吉田さんは仲間とともに町内40の飲食店や団体などを訪ねて主旨を説明。新たな食の開発に理解を得ました。そして、ご当地グルメのアドバイザーから「丼をつくってはどうか?」との助言を元に、町の特産品である牛肉と卵を使ったステーキ丼の原型に辿り着きました。
 
とはいえ、開発はそこからが苦労の連続でした。調理・提供を担当するのは町の飲食店の店主たち。しかし普段から店主同士がコミュニケーションを取る機会が町になかったためか、店主らの議論はそのうち一方的な主張のぶつけ合いに・・・。
 
「せっかくのステーキ肉をなぜサイコロ形にするんだ?」、「ステーキには塩コショウが合う。味噌味にするなんて邪道だ!」といった意見が飛び交い、協議会はあわや空中分解の危機に。「あの時はもうダメかもと思った」と吉田さんは当時を振り返ります。
 
そんなとき吉田さんは、「清水町の元気のため」というチーム共通の目標を、改めて説いて回りました。この吉田さんの町を想う気持ちが相手に伝わったことに加え、飲食店の仕事の合間に、週に何度も集まって試作を重ねるうち、店主たちも互いの意見を尊重するようになっていました。
 
こうして多様な意見から生まれた牛玉丼は、清水町内の12の飲食店で提供されています。さらに各店が自慢の付け合わせを添えているのがポイントで、いろいろなお店で食べてみたくなるよう工夫されています。
 
 
 
 
この牛玉丼、「食べに町を訪れてほしい」との思いから、清水町内での提供を基本としていて、グルメイベントなど特別なときのみ、町外に出店しています。その特別なイベントの一つが「新・ご当地グルメグランプリ北海道」。
 
2010・11年、2年連続で力およばず準優勝だった苦い経験から、吉田さんら協議会では課題を検討。味のばらつきを防ぐなどの万全の対策を練って、2013年のグランプリに臨みました。その間には、地域住民による牛玉丼の応援団が設立され、広報から売り子、調理に至るまで、地域一体で牛玉丼を支える体制も生まれたといいます。人びとの力が結集した今夏、北海道内15グルメの戦いに清水町はスタッフのべ80名で出店し、ついに悲願のグランプリ獲得に成功しました。
 
 
 
 
 
 
吉田さんは「みなが共通の目標に向かった結果、真剣に清水の未来を語り始め、町の人も町の魅力を自ら発するようになりました」と、牛玉丼が起こした変化を語ります。牛玉丼のキャラクターが町の子どもに大人気となり、牛玉丼の踊りやサッカーチームの発足が相次ぐなど、新・ご当地グルメを超えた波及効果が、地域に広がっています。
 
吉田さんは目下、商工や観光協会の担当者として牛玉丼のPRに邁進する日々。「牛玉丼がブレイクしてから役場では観光の配属に。おかげで僕は今、公私一体で牛玉丼に取り組めます」。
 
 
 
 
今後は協議会で、清水町の小中学校に給食で牛玉丼を採用してもらう活動や、町内PRを進め、さらに町民に愛されるグルメを目指します。十勝清水牛玉ステーキ丼は、清水町に食べに訪れた人にポジティブパワーを与える逸品となるに違いありません。