地元産「鶴の子大豆」を使ったとうふ

道南の今金(いまかね)町にある「小川食品」は、創業が1921(大正10)年。代表の小川宏さんで4代目となる老舗の食品製造会社です。ここに、希少な道産大豆を使ったおいしいとうふがあると聞き、さっそく訪ねてきました。
 
その大豆とは、今金産の「鶴の子大豆」。「鶴の子大豆」は成熟する時期が遅いため、霜の降りるのが遅い道南エリアの一部の農家でしか栽培されていない希少な大豆です。大粒で糖度が高く、自然な甘みが特徴だそうです。
 
 
 
 
小川さんに話をうかがいました。
「20年くらい前になるでしょうか。その頃は一部輸入大豆を使っていたのですが、デパートの物産展に出展した時、バイヤーさんに『地元に大豆はないの?それを使ったらもっとおいしいとうふができるのでは?』と言われたことがきっかけでした」。
 
地元で栽培する希少な「鶴の子大豆」と出会い、試行錯誤の末誕生したのが、「小川さんちの今金特産とうふ」と「小川さんちの真ん中とうふ」。もちろん原料は、鶴の子大豆です。
 
 
 
 
毎朝4時からスタートするというとうふづくり。取材時は7月だったので、水の冷たさは逆に気持ちが良いくらいでしたが、ここは北海道です。すぐに厳しい冬がやってきます。大豆をすりつぶしたり、煮たり、絞ったりするのは機械ですが、多くの工程は手作業で行われます。冬の寒さを想像すると…大変な作業です。
 
 
 
 
小川さんのこだわりは、原料だけではなくつぶした大豆を煮る「煮窯」や「絞り機」にもありました。「特に絞り機は一番大事。ここで『おから』と『豆乳』に分かれるのですが、油圧式だと濃い豆乳が採れない。でも、これは蒸気式で鶴の子大豆の濃厚な豆乳が採れるんですよ」(小川さん談)。
 
 
 
 
ところで、小川さんちのとうふには、一般的によく見る「木綿」「絹」という表記がありません。
「ぎゅっと押して中の水分を出すと木綿とうふになります。それが、『小川さんちの今金特産とうふ』。そして、『真ん中とうふ』は、絹ごしのつくり方でつくっているのですが、絹ごしでも木綿でもない、ちょうどその真ん中くらいなので『真ん中とうふ』なんです」と小川さん。
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
「食べ比べてごらん」と出された2種類のとうふ。「小川さんちの今金特産とうふ」は、一口食べてびっくり!なんて大豆の味が力強いんでしょう。そして、とうふなのに、濃い味のせいか、噛みごたえを感じます。もぐもぐすると、鼻に大豆の香りが抜けます。
「真ん中とうふ」は、木綿ほどのざっくり感はなく、かといって絹ごしみたいなきめ細かさもありません。確かに木綿と絹ごしの中間くらいの食感。その味は、とてもクリーミィ。両方とも、最初はそのまま何もつけずに食べたのですが、薬味も醤油もいらないくらい味がしっかりしています。
「小川さんは、どちらが好きですか?」と尋ねたら「出荷ばっかりしていて、食べる暇ないよ」と笑って答えてくれました。
 
 
北海道ならではの根わさび(山わさび)もいいですよ」
 
 
小川さんのところでは、北海道今金産「鶴の子大豆」の他に、黒豆を使ったとうふもつくっています。
 
 
 
 
生もので、しかも崩れやすいとうふなので、道外の人はなかなか手に入れにくいと思いますが、機会があったらぜひ、今金町の小川さんちのとうふを味わってみてくださいね。道内での販売先は、HPをご覧ください。
 
※うるかす:「水につける」「ふやかす」という意味。「米といで、うるかしておいて~」などと使います。